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2016.10.4
社員紹介

高い施工技術で評判のプロ職人が教える、良い足場を組むコツとは?

【PROFILE】
山口 高志(やまぐち・たかし)。低層工事部 施行課 課長代理・品質管理委員会 委員長。1995年より大久保恒産の職人として働き始める。2015年10月より、現在の低層工事部 施行課 課長代理・品質管理委員会 委員長に就任。職人時代から、高い精度の施工技術を誇り、現在では大久保恒産の施工のレベルアップと安全衛生意識の向上を推進する原動力となっている。

大久保恒産は、仕事を教わった職場ではない。人生の生き方を教わった場所

17歳から働きはじめた山口にとって、大久保恒産は「仕事を教わった職場」ではなく、「人生の生き方を教えてもらった場所」だと話す。

「俺は学校も高2で中退していて中卒だから、学校よりもここ(大久保恒産)で人生の生き方を教わったと思っているんだよね。

大久保恒産で働き始めたころは子供で、本当に適当だったよ(笑)。雨が降ったら『よし!今日は仕事なしだ!』って家に帰って、先輩から電話がきても繋がらないように電話から受話器を外していたくらい(笑)。駄目だよね、そんなの。実家は会社に近いところにあったから、親方が『山口〜!』って家に来たこともあったくらい問題児だった(笑)。

でも、そんな俺も一生懸命働いて、結婚して、家を持って、子供もできて、一家を支えられるような大人になれた。呆れずにここまで育ててくれた大久保恒産には、本当に感謝してるよ」

神奈川県青葉区にある足場施工会社 株式会社大久保恒産で低層工事部 品質管理 委員長として働く足場職人山口さんの写真

いい足場を組むコツは、「人が使う」ということを意識すること

「入社当初は適当だった」と振り返る山口だが、現場に一歩入れば、プライドを持ったプロの足場職人だった。

「やるからにはしっかりやるよ。足場って人が使うものだから、この仕事を始めて以来、危険な足場を組んだ覚えはないね。仕事が終わった後も、みんなで工事事務所に集まって、『どうやったらもっといい足場を組めるか』ってワイワイ話し合っていたよ。すごく楽しい時間だった」

「いい足場を組むコツは、人が使うことを意識すること」。そう語る山口は、職人時代から高い施工技術を持っていると評判だった。当時はまだ単管足場(単管というパイプと、パイプとパイプをつなぎ合わせるクランプを主に使って足場を組み立てる方式)という、技術習得に長い年月を要するといわれている足場が主流だったにも関わらず、すぐに職人から請負親方となり、活躍した。

神奈川県青葉区にある足場施工会社 株式会社大久保恒産で低層工事部 品質管理 委員長として働く足場職人山口さんの写真

そんな山口を、当時の低層工事部部長が「社員にならないか?」と誘ったのが2011年である。

「大久保恒産の足場職人は、前もって伝えておけば、好きなときに好きなだけ休みが取れるんですよ(請負職人や常用の職人のみ)。俺は仕事も遊びも全部楽しみたい人間だから、『アメリカへ旅行に行くので2週間休みます』『屋久島へ行くので1週間休みます』って行きたい場所ややりたいことがあったら妥協せずに随分自由な生活を送っていました(笑)。だから、社員に誘われたときは、働き方や給与形態が変わることに抵抗があってすぐにはイエスと言えませんでしたね」

それでも山口が社員になることを決意した理由は、2つある。一つは、人生の生き方を教えてくれた「大久保恒産に対する感謝」。もう一つは「大久保恒産の足場職人としてのプライド」である。

「大久保恒産って本当に仕事が多いんだよね。それは、元請けさん達からの信頼が厚いということだから、すごくいいこと。だけど、職人が『大久保恒産は仕事が多いから、絶対に雇ってもらえる』という意識で、ちょっとでも甘えるようなことがあっては駄目だよね」

足場のレベルが下がれば、会社のレベルも下がる。自分が働く会社のレベルは絶対に下げたくない。せっかく社員をやるなら、仕事量に関係なく、大久保恒産の職人全員がプライドをもって、良い足場を作ることが当たり前な状態を作りたい。そんな状態を作ることができれば、結果的に大久保恒産への恩返しにもなる。

「だから、『普通の番頭ならやらないよ』って当時の部長に伝えたんだ。『足場の品質の底上げができるようなポジションを作ってくれ』って」

山口のそんな思いをきっかけに立ち上がったのが、現在の品質管理委員会である。

神奈川県青葉区にある足場施工会社 株式会社大久保恒産で低層工事部 品質管理 委員長として働く足場職人山口さんの写真
山口が仕事で使っているカメラ。彼の趣味であるアウトドアでも使用できる、優れたカメラにお気に入りの迷彩のカバーをつけ、レンズプロテクターにも、サバイバルゲームのモデルガンに付けるレンズカバーを使用するといったこだわりっぷり。

技術ではなく「どんな意識で仕事に取り組むのか」

現在山口は番頭の仕事に加え、品質管理委員会の委員長として、元請けが開催する安全大会(作業中の事故を未然に防ぎ、社員の安全に対する意識を高めることを目的に開催されるイベント)へ大久保恒産代表として参加したり、品質管理のために各現場を回り、それぞれの足場に点数をつけ、必要なものに関しては是正を指示したりしている。

職人時代から「高い施工技術を持っている」と定評があり、足場に関する知識も経験も豊富な山口だからこそできる仕事である。

だが、山口が教えているのは意外にも「技術」ではないという。

「技術、というよりかは、どんな意識で仕事するのか、ということを教えている感覚ですね。お客様は使いづらい危険な足場なんて求めてないからさ。絶対に」

「お金をいただいているお客様に、使いやすくて安全な足場を提供しよう」そう考えたら、それに必要な知識や技術を得るための努力をするだろう。「プロの足場職人として仕事をしよう」という意識があったら、細部まで気を配るだろう。

そういう意識で仕事しているかどうかが、山口は足場を見れば一発で分かる。

「これでも問題はないんだけど、でもこっちでやれば使う部材がすごく減って形もすごく簡単になるところなのにな・・・とか、細かい部分にその職人の意識が現れますね。自分からそれを望まないと、いいものなんて作れないから」

だからこそ、山口は技術ではなく、「どんな意識で仕事に取り組むのか」ということを教えているのである。

神奈川県青葉区にある足場施工会社 株式会社大久保恒産で低層工事部 品質管理 委員長として働く足場職人山口さんの写真

時代の変化や会社の成長に合わせて、社員も職人も全員が働きやすい環境を作っていきたい

山口は、大久保恒産に入社してからの23年間をどう見つめてきたのだろうか?

「俺が入ったときの大久保恒産は、社員と職人合わせても30人いないくらいだったよ。社長が自ら足袋はいて、トラック運転して、現場に行ってた。

社長はトラックの運転が下手だから、みんなで『やめて!』って止めていたんだけどね(笑)。そしたら言ったそばから置場の目の前にあった田んぼに突っ込んじゃって。『ほら言ったじゃん!』ってみんなで笑いあっているような規模感だった(笑)。

今では立派な本社を構えて、抱える職員の数も200人くらいになって、もう全然違う会社みたいだよね。もちろん、会社が目指している方向に着実に向かえているということだから、いいことだと思うよ。でも、こんなに変化しているんだから、仕事のやり方や評価の仕方も、それに合わせてより良いものに変えていかないと」

神奈川県青葉区にある足場施工会社 株式会社大久保恒産で低層工事部 品質管理 委員長として働く足場職人山口さんの写真

会社規模が大きくなれば、体制や制度が既存のものでは対応できなくなるのは当然だ。

企業理念やビジョンは変わらずとも、時代の変化や会社の成長に合わせて、社員も職人も全員が働きやすい環境を作っていきたい。それが山口の思いである。

「あとは、うち(大久保恒産)の職人たち全員がプロ意識もってちゃんとやってくれるようになったら最高だよ。どうしたらもっと良くなるかな?って暇さえあればいつも考えてる。暇なんてないけどね(笑)」

山口の常に最高を目指す姿勢は、大久保恒産の施工のレベルアップと安全衛生意識の向上を推進する原動力となっている。人生の生き方を教えてもらった大久保恒産に恩返しをするべく、足場職人としてのプライドをかけて山口は今日も奮闘する。

神奈川県青葉区にある足場施工会社 株式会社大久保恒産で低層工事部 品質管理 委員長として働く足場職人山口さんの写真

編集後記「全てにおいて一切妥協しないプロフェッショナル」

17歳のころから「プロとして仕事に取り組むのが当然だ」という高い基準で仕事に向き合われてきたというストイックな姿勢と、仕事に対する並々ならぬ情熱をインタビューでお聞きし、仕事に一番情熱をかけてきた方なのかな、という印象を受けました。

ところが、山口さんの趣味をお聞きすると、サーフィンにサバゲー、キャンプやバイク、車などなど・・・。忙しい仕事をこなしながらも、プライベートも大いに謳歌されていらっしゃいました(笑)。

神奈川県青葉区にある足場施工会社 株式会社大久保恒産で低層工事部 品質管理 委員長として働く足場職人山口さんの写真
休日にサバゲーを楽しむ山口さん。本格的な装いですね!

「将来の夢は、子供2人をプロサーファーにして、家族で世界中の海を旅してまわること」と教えてくださった山口さん。

神奈川県青葉区にある足場施工会社 株式会社大久保恒産で低層工事部 品質管理 委員長として働く足場職人山口さんの写真
毎週日曜日はお子さんとサーフィンを楽しんでいるそうです。

仕事においてもプライベートにおいても、自分が理想として描いている状態を理想として終わらせるのではなく、夢としてしっかり見据え、実現していってしまう行動力。

記事中でも「仕事のやり方ではなく、人生の生き方を大久保恒産に教わった」と仰っていますが、「仕事」や「プライベート」というジャンルに縛られず、「人生」に対して一切妥協のないその姿勢が、今の山口さんの実績を創っているのかもしれません。

神奈川県青葉区にある足場施工会社 株式会社大久保恒産で低層工事部 品質管理 委員長として働く足場職人山口さんの写真
バイクも山口さんの趣味の一つ。かっこいいですね!

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