新卒6期生のフォローアップ研修が行われました!

こんにちは、新卒採用チームです!
大久保恒産で2015年度から始まっている、大規模な新卒採用。
大久保恒産では、毎年新しい方の採用を継続して行っておりますが、採用活動は「採用をした」時点で終わりでは、勿論ありません。
採用をした後には、その方がいかに大久保恒産でお仕事を覚えてステップアップしていくか、そして大久保恒産の職場環境へ馴染んでいけるかなどを、継続的にフォローを行っています。
そして先日、昨年採用された新卒6期生へのフォローアップとして、建築模型製作研修が行われましたので、今回はその様子をお届けいたします!
建築模型製作研修の様子をお届け!
まずは座学で住宅の種類やその特徴を勉強
大久保恒産は足場の建設を行う会社ですので建物自体を造ることはありませんが、建設業に従事する会社として、また建設業界の方と一緒にお仕事をする会社として、建築の知識は切っても切り離せません。
そこで今回は座学+模型製作を行い、6期生の皆さんに建築の知識と理解を深めていただきました!
画像出典:幻冬舎 GOLD ONLINE
画像出典:住まいの水先案内人
まず座学では、クイズ形式を挟みながら、皆さんが一般的によく見かける「木造・重量鉄骨造・RC造」の違いと、その特徴を学びます。
上のクイズ、皆さんは当てはまる数字が分かりますか?
答えは左から50t・100t・250tです!
RC造りは、とても頑丈で長持ちする分、重量もとても重いんですね!
1/10サイズ木造物件を実際に建築模型製作
座学にて建造物の特徴を一通り学びましたら、次はいよいよ模型製作です。
今回はこちらの木造物件を、二人一組になって制作していただきます。
今回製作する模型は1/10サイズですが、建物を構成する要素は本物とほとんど一緒です。
パッと見ただけでも、これだけ多くのパーツが必要となります。
材料は一つ一つカットするところから始めますので、まずは必要な素材を1つ1つチェックしていき
設計図を元に、どの材料がどのパーツとなるかを入念に確認していきます。
材料の確認を終えたら、設計図に書かれているサイズごとにミリ単位で木材へと印をつけ、協力して材料のカットを行います。
木造物件一つを建てる為には土台や屋根、柱など大量の材料が必要となる為、設計図を元に印をつけてカットをするだけでも一苦労です!
無事に全ての材料のカットを終えたら、地面に見立てた板へと印をつけて穴を開けていき、木材を固定して建物の基礎づくりを行います。
基礎は建物と地面を結び付け支える、大切な部分。
この上に全ての建築物が載ってくる為、しっかりと固定することが大事です。
二人とも、とても楽しそうな様子ですね!
こちらが固定された基礎と、その上に立つ建物の材料です。
材料はすべて定規を使いミリ単位で計測してカットを行うので、これだけの量を揃えるのも一苦労。
午前中いっぱいは、基礎づくりと材料カットの作業で、あっという間に時間が過ぎていきました。
上棟の作成
午前中いっぱいかかった基礎づくりと材料カットですが、実際の建築作業はここからが本番です。
建築の作業工程を順番通りに見ていくと
・土台、大引き
・柱
・桁、梁
・小屋束、母屋
・垂木
・ベニヤ、屋根
・筋交い
・壁
と、ここからやることがたくさんありますね!
まずは木材同士を繋ぎ合わせる「ダボ」を入れる為のダボ穴を、ドリルで1つずつ開けていきます。
ダボとダボ穴を分かりやすく拡大した様子が、こちらです。
ダボとダボ穴は土台や柱、母屋など、ほとんどの素材を繋ぎ合わせるのに使われる為、この穴をカット済みの材料へ次々と開けていく必要があります。
画像出典:リビングでDIY
実際の建築現場では上図のような「ほぞ継ぎ」という、ほぞとほぞ穴を用いた組み方を行いますが、今回は模型ですのでダボを採用しています。
1/10サイズの材料へ1つ1つ手作業でダボ穴を開けていくのは、ドリルのミリ単位の調整と正確さが要求される為、とても難しい作業です。
初の模型製作となる6期生の皆さんは、中々苦戦されている様子ですね!
ここで急遽、先輩社員のお二人が助っ人として来てくださいました!
経験豊富なお二人の力をお借りすれば、きっと模型製作もぐんぐん進むはずです。
先輩お二人のご協力によってダボ穴も無事に開け終わり、ここから建築速度は一気にスピードアップ!
ダボを使って材料を繋ぎ合わせ、見る見るうちに上棟が出来上がっていきました。
土台の上に柱や屋根が付くと、ぐっと建物の雰囲気が出てきますね!
こちらは耐震構造で重要な「筋交い」を入れている様子です。
木造物件は地震の揺れに対する耐久を考え、必ず柱と柱の間にこの筋交いが必要となります。
1/10サイズの模型とはいえ、ちゃんとした建築物ですから、耐震強度を考えた設計は必須です!
筋交いを作り終えたら、今度は透湿防水シートに見立てた紙と外壁となるベニヤ板を貼り付け、そこへ漆喰を塗装して家の外壁作成を行います。
透湿防水シートとは、水は通さずに湿気のみを外へと排出するもので、主に木造住宅を建てる際の外壁の下地材として用いられるものです。
ここまでくると完成まで、あと一歩。
壁の隅まで、丁寧に漆喰を塗って仕上げていますね!
完成した二棟の物件の様子が、こちらです!
どちらもしっかりとした造りで、手で触ったくらいではびくとも動きません。
材料のカットから始まり、基礎づくり、土台や大引き、柱・桁・梁、垂木、小屋束、母屋、屋根、筋交い、外壁作成と、この建築模型の制作を通して、実際の木造建築で必要となる要素と工程を一通り体験することが出来ました!
再び座学を通して、日本の建物の歴史と地震対策への理解を深める
さて、建築模型の制作を終えた後は、完成した模型を踏まえて、再び座学にて日本の建物の歴史や、日本の建物では必ず考慮する必要がある地震災害について学習をしていきます。
昔の掘っ立て小屋から始まり、石場建て工法、コンクリート基礎と発展してきた日本の建物。
そのメリットやデメリット、耐震構造や免震構造、そして地震災害とはそもそもどうやって発生するのか?
知っているようで、改めて学ぶと意外と知らないことが出てきますね!
動画引用:木造住宅の構造の基礎(https://youtu.be/GhnP5MT6S28)
つい先ほど木造物件を実際に制作しただけに、木造住宅の耐震構造のしくみについては、とても理解がしやすいはず。
座学では上の動画を交えながら、「筋交い」が柱と柱の間に在るのと無いのとで、耐震性にどれほど大きな違いが出るのかを学んでいます。
日本の建物の歴史は、地震災害とその対策への歴史とも言えます。
日本では大地震が起きる度に建築基準法の法改正が行われ、今現在の地震に強い安全な建物を作る技術が産まれてきたんですね。
そして日本の建物は地震災害だけでなく、日本の気候の特徴ともいえる「湿気」の対策も重要となります。
石場建て工法やコンクリート基礎など建材を腐食から防ぐ建築設計は、日本では建物の耐久年数を伸ばすために大切な技術です。
日本から離れて世界の建造物を見てみると、モンゴルの移動式住宅であるゲルや、砂漠地帯の土壁の家、そして古代ギリシャ時代に石材で建てられたパルテノン神殿など、まったく違う造りや素材の建物が見えてきます。
これらは学んでいくと、その土地の気候や宗教、地震の有無、時代に合った生活様式、そしてその土地で確保が容易な建材の種類など、実に様々な要素が複合的に絡み合い、結果としてその地域の風土にあった建物が建造されていることが分かってきます。
湿潤な気候なのか、乾燥した土地なのか。
災害が起きやすい場所かどうか、近くに森林があるか、建築に向いた岩や土があるか。
昔の日本の豪雪地帯でよく見られた、積雪の重さに耐えられるよう屋根を急斜面にしている「合掌造り」などの建物も、その時代と風土に合わせた例と言えるでしょう。
建物を見れば生活が分かり、時代が分かる。
建造物の成り立ちには、一つ一つに深い意味があるんですね!
6期生フォローアップ研修を通して
今回のフォローアップ研修では、座学や建築模型の制作など普段の業務とは違う経験を通し、6期生の皆さんも建築業界について多くの学びを得る、有意義な時間を過ごすことが出来たと思います。
撮影もあり、皆さん始めはカタイ様子でしたが、作業を開始すると徐々に打ち解けていきましたね。
建設業界で働かれているからこそ、原点でもある家づくりの基礎を学べたことは大きいかと思います。
1ミリずれただけで強度が変わったり、結果的に建物全体の傾きへ繋がったりと、建築は骨が折れる作業だと思いましたし、また、だからこそ職人が存在するんだなと感じられ、職人ってすごいな!と新卒採用チーム一同も研修を通じて思いました。
そんな想いで造られている家づくりや建物づくりに自分たちも足場を通して携わっているということを、6期生の皆さんも少なからず認識が出来たかと思います。
今回の研修が、足場のかけやバラシの時には注意しようと気を引き締めたり…など、今後の皆さんの業務へ繋げられるとなお良いですね。
また、普段事務をされている方も、構造や用語を覚えたりと勉強になったのではないでしょうか。
ダボの加工など改善点は必要かと思いますが、材料を切るところからやることに意味がある研修となりましたね。
今回の研修を通して、新卒採用チームも大久保常務が「基礎づくりからやらせたい」と話されていた意味がよく分かりました。
1/10サイズのミニチュアとはいえ、衣食住の住である家づくりが出来たことは大きな経験ですし、またこれからも家が無くなることは無いので、家づくりに関わる足場の仕事が無くなることもきっと無いでしょう。
新卒採用チームは、これからも大久保恒産で働かれる新卒採用の皆さんを継続フォローアップしていきますよ!
それでは、また!